電話番号で届く『RCS』でLINE未連携層と接点を作ったファンファレの挑戦

株式会社ファンファレ 様

LINE・メールが届かないお客様にも、アップセルのご案内が届くように。

オモヤグループのD2Cブランド、ファンファレ様が取り組んでいるのが、電話番号だけで届くRCS(リッチコミュニケーションサービス)を使ったアップセルのご案内です。その背景には、多くのCRM担当者が後回しにしがちな「ある層」へのアプローチがあります。

ファンファレ様は、新規獲得時のCVRを重要視して、メールアドレスを必須項目から外しています。その判断と引き換えに生まれるのが、メールもLINEもつながらない顧客層です。同梱物だけが唯一の接点で、解約されるまで一度も連絡が届かないお客様もいらっしゃる状況でした。

そこで同社が着目したのが、購入時に必ず取得できる電話番号を起点にしたRCSです。アップセル導線に組み込んだ結果、RCS単体の引き上げ率はLINEの2〜3倍、メールの数倍に。さらに、スタークス株式会社の「All Pilot」で配信リスト抽出を自動化したことで、手動運用からも解放され、PDCAを回す余裕も生まれています。

後発チャネルであるRCSが、なぜこれほどの成果につながったのか。設計と運用の中身を、ファンファレでCRMチームを率いる前平様に伺いました。

効果と戦略

課題

  • 新規獲得時のCVRを重要視してメールアドレスを必須項目から外しており、購入時点で連絡先メールアドレスを持てない顧客が大半を占めていた
  • サンクスページでメールアドレスの取得を試みているが、取得率は最大4割程度。そもそもサンクスページに到達しない顧客もいる
  • LINE連携も任意のため、メール・LINEのいずれもつながらない顧客には「同梱物だけが唯一の接点」という状態が生まれていた
  • 既存のMAツールでは「RCSを配信した人」といったセグメントを切れず、顧客ラベルを都度発行し続ける運用は現実的でなかった
  • RCS配信リストの抽出は商材ごとに個別開発が必要で、開発が追いつかない商材は手動抽出を続けていた

戦略

  • 必ず取得できる電話番号を起点に、メール・LINE未連携層への主要接点としてRCSを位置づけ
  • 新規購入後のアップセルを、複数チャネルを組み合わせた多段階ステップとして設計
  • LINEの連携者にはLINE、未連携者にはRCSと配信先を出し分け、無駄打ちを排除
  • 「All Pilot」の導入で、商材ごとのRCS配信リスト抽出を自動化

成果

  • RCS単体の引き上げ率はLINEの2〜3倍、メールの数倍に
  • 購入から3ヶ月以上経過した既存顧客向け配信でも数パーセントのCVR。その効果はSMSの2倍以上
  • リスト抽出の自動化により手動運用の工数が解消され、他施策のPDCAに時間を回せるように

「解約するまで一度も連絡できなかったお客様がいた」接点を持てない層をどうするか?

はじめに、前平様のミッションについて教えてください。

前平様:CRMチームを全体的に見ています。ファンファレの全ての商材の継続率やLTVを見ています。

ファンファレのCRMで、最も重要な施策は何でしょうか?

前平様:継続率ももちろん重要なのですが、様々な要因が影響するため、その施策だけで伸びたのかを見極めるのが難しい部分があります。そこで今、改善に注力しているのが、アップセルの施策です。

ファンファレには「アップセルコース」があり、このコースへの加入率を上げてLTVを最大化させることが一番大事な施策になっています。今回のRCSやAll Pilotを使ったアップセルも、このアップセルコースへの引き上げが目的です。

メールアドレスの取得は、CRMの前提とも言われます。それをあえて必須から外されているのはどうしてですか?

前平様:以前は最初に取得していたんですが、ABテストをするとどうしてもCVRが落ちてしまう状況でした。CRMができないという懸念はあるんですが、「新規が出ないと何も始まらない」というところもあり、直近はメールアドレスを抜いてCVRを優先しています。

メール・LINEのいずれも繋がっていないお客様には、どのようにアプローチされていましたか?

前平様:ステップ配信も送れていなくて、同梱物が唯一のお客様との繋がりという感じでした。お客様によっては、解約する時まで一度も連絡できなかった方もいらっしゃって。それは勿体無いですし、私たちがやりたいCRMでは絶対にないよね、と。

そこで、色々なところでアプローチできないかと考え始めたのが今の取り組みにつながっています。

電話番号だけで届くRCSを、多段階のアップセル導線に組み込む

新規購入後、どのようなステップでアップセルを提案されていますか?

前平様:購入直後から、複数回に分けてアップセルをご案内しています。一度で決まらなかった場合も、タイミングを変えて繰り返しお伝えする形です。

その後は、お客様が持っている連絡手段に応じて、届くチャネルを切り替えていきます。LINEを追加いただいた方にはLINEを起点に、メールアドレスの登録がある方にはメールも組み合わせて、最終的にアウトバウンドやRCSが回る流れです。

その中で、RCSはどのくらい貢献しているのでしょうか。

前平様:チャネル別で一番大きいのはサンクスページのアップセルですが、CRM領域で言うとアウトバウンドとRCSの割合が高いです。CRM施策の中でも既に重要なコミュニケーションチャネルになっています。

LINEやメールと比べると、RCSの成果はいかがですか?

前平様:RCSは、LINEと比べて2倍から3倍はあると思います。メールはLINEよりも低い状況なので、他チャネルと比べると数倍高い成果が得られています。

導入時は、どのようにテストを進めたのでしょうか。

前平様:せっかくやるのであれば、購入タイミング毎にどんな成果が出るのかを幅広く検証したいと考えて、購入から1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月とそれぞれ配信し、どのお客様からの反応が一番良かったかをテストしました。

意外だったのはF(購入回数)が深いお客様でも反応が良かったんです。Fが深いお客様への施策は成果が出づらいと思っていたので想像以上の結果になりました。

RCSの配信でどのような成果が得られましたか?

前平様:購入から3ヶ月以上経過したお客様への配信で、全体配信数に対するCVRが数パーセント出ました。同じタイミングでSMSを配信と比較しても2倍以上の成果がでており驚きの成果でした。

やはりビジュアルで見えるかどうかがかなり大きいと考えています。SMSのようなテキストだけだの配信だと、怪しい案内だと疑われる面もあるので、安心感が成果に繋がっているようにも感じます。

「RCSを配信した人」で絞れない。MAツールでは埋まらなかった運用の穴

LINEとRCSの使い分けは、どのように実現していますか?

前平様:All Pilotでチャネルのセグメントを行っています。リピートラインを導入しているので、LINEで配信できる部分はLINEで、逆にLINE連携をされていない方に送る部分はRCSで、という使い分けができるので、配信の無駄打ちを抑えることができていて助かっています。

既存のMAツールでは、同じことができなかったのでしょうか?

前平様:出し分け自体はできるんですけど、「RCSを配信した人」みたいな絞り方ができないんです。やろうとすると、こちら側で顧客ラベルを付与して、それを取り込んでセグメントを切る、ということをしないといけない。

ただ、顧客ラベルをずっと増やし続けるわけにもいかないので、運用として難しいところが出てきてしまう。そこが代替しづらい部分でした。

リスト抽出の自動化で生まれた、PDCAを回す余裕

All Pilotの導入で、実務はどう変わりましたか。

前平様:めちゃくちゃ変わりますね。リスト出しの自動化はこれまでこちらでやっていたんですが、新しい商品が出てくるごとに自動化の開発を進めないといけないという工数がありました。

「血圧と脂肪クリアの青汁粒」(以下、青汁粒)は、自動化を作った後にRCSの配信施策を回し始めたので、リストの自動化ができていなくて。週2回、手動でリストを出していたんです。地味に時間を取られてしまっていたので、そこがAll Pilotで自動化できたのはすごく嬉しいなと思っています。

導入時の工数負荷はどの程度でしたか。

前平様:今は結構手が離れていますが、導入時は割とずっとやっていた気がします(笑)。とはいえ、他の業務と並行しながら全然できるレベルです。私はその時、新商品を2つやりながらRCSの準備をやっていました。

社内で手を動かしているのは、主にクリエイティブのラフを考えてデザインチームに依頼するところですね。ボットの中の画像などはスタークスさんにサポートしていただいてます。クリエイティブの内容は、新規獲得の状況に応じて調整が必要なので、その動きを日々つかんでいる社内で判断したほうが早いという面もあります。

知見ゼロからでも、成果が出るまで一緒に走ってくれた

新しいコミュニケーションチャネルを増やす意思決定は、どのように踏み切られたのでしょうか。

前平様:新しい施策にチャレンジするのは、やはり勇気がいるんですよね。ただ、柔軟にやり取りをさせていただけましたし、クリエイティブも私たちがRCSに関して全く知見がなかった中で、一緒にやっていくことができました。

その結果、私たちも知見を溜められましたし、成果も出すことができたので、すごく良かったなと思っています。

ここは本当に毎回思っていて、CVRをどうやったら上げられるかを私たちの気持ちも汲んで考えてくださるんです。毎回「改善点は何かないですか」と聞いてくださるところが本当にありがたいなと思っていて。常に改善しようとしてくださる姿勢がすごくありがたいです。

最後に、RCSの活用を検討しているブランドへメッセージをお願いします。

前平様:RCSは新しいコミュニケーションチャネルなので、その特性を理解しているパートナーと一緒に進めるのが、やはり早いと感じました。電話番号だけで視覚的にオファーを届けられますし、少ないリソースの中でも様々な検証を実施することができて、それがしっかり成果につながっています。知見が全くない状態からでも始められるので、ぜひ試していただきたいです。

株式会社ファンファレ

「女性のキレイとゲンキを応援する」をコンセプトに2013年に福岡で創業したD2C企業。2018年より株式会社オモヤのグループ会社として、自然由来の素材にこだわった健康食品・サプリメント・化粧品の通信販売を展開し、むくみや肌、ダイエットなど体にまつわる女性の悩みに応える商品を提供している。

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株式会社ストークメディエーション

パーソナライズヘアカラーブランド『COLORIS(カラリス)』を展開し、定期通販サービスを提供している。 『COLORIS』では、WEB カウンセリングに基づいて、一万通りの処方から一人ひとりに最適な処方で、ヘアカラー&トリートメントをカスタマイズして販売。購入後もマイページ上で担当スタイリストが継続サポートを行う。 『COLORIS』は、宝島社の美容誌「&ROSY」2020年3月号の「編集部が選ぶベストコスメ」にて、ヘアケア部門で第1位を受賞。

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株式会社エイチームウェルネス

エイジングケア化粧品ブランド『lujo』などの開発・販売を行う。 『lujo』は、さまざまなテクノロジーを用いた成分や処方により、効果を実感できるエイジングケアを目指した、化粧品ブランド。化粧水や美容クリーム、リキッドファンデーションなどの製品を取りそろえる。 同社は、比較サイトや情報サイトなど、さまざまなウェブサービスの企画・開発・運営などを行う「株式会社エイチーム」のグループ会社である。

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