獲得CPAが約100円に。“買わなかった人”に届けるベルミスのLINEリマケ施策とは?
株式会社ファストノット 様
LINEのリターゲティング配信で、獲得CPAは約100円に。
株式会社ファストノット様は、「習慣が美しさをつくる」を掲げるウェルネス&ビューティーブランド「ベルミス」を展開し、着圧レギンスを中心とした商品を通販で販売しています。同社のCRMチームがLINEで取り組んだのが、キャンペーン配信を見て買わなかったお客様に、もう一度アプローチするリターゲティング配信です。この配信では、獲得CPA約100円という成果が出ています。
商品点数が多く、新商品の投入も多いベルミスでは、キャンペーン配信がCRM施策の肝となっています。しかし、キャンペーン配信で常に成果を出し続けるのは至難の業です。
このキャンペーン配信の成果を底上げする仕組みとして生まれたのが「LINEのリターゲティング配信」です。当時は前例がなく、試行錯誤の連続でした。このインタビューでは、LINEリターゲティング配信の全貌を、ベルミスのCRM部門の責任者である西岡様に伺いました。
効果と戦略
課題
- ステップ配信などのCRM設計よりもキャンペーン配信の企画力とその成果が売上を左右する
- 広告のCPA高騰が続く状態だからこそLTVアップがより一層重要な状況に変化している
- LINEの配信単価が上がるため、ターゲティングの精度を上げなければ配信あたりのCPAが悪化する
戦略
- 効果が出ていたカゴ落ちSMSの考え方を、LINEリターゲティング配信に置き換えて検証
- LINE上でアクティブなお客様をセグメントして配信する方法を検証
成果
- リターゲティング配信だけを切り出した獲得CPAは、約100円の水準に
- LINE上でアクティブなお客様のリストを定常的にセグメントできる状態に
- 実装初期の頃から、キャンペーン配信がCRMの中心を担う運用へ

キャンペーン配信の企画が売上を左右するCRM

まず、西岡様がCRMチームで担われている役回りを教えてください。
西岡様:年々、広告のCPAが高くなっている中で、いかにLTVを上げられるかが重要な事業課題となっています。我々のチームでは、そのLTVの最大化をミッションとして、お客様に1回の購入にとどまらず、2回目、3回目とリピート購入していただけるようなCRM施策に取り組んでいます。
そして、2回目の購入につなげるうえで最も重要な施策が、「LINEのキャンペーン配信」です。キャンペーン配信の企画内容がそのまま売上に直結するため、企画力そのものが成果を左右します。
LINEのキャンペーン配信の難しさは、どこにありますか。
西岡様:前回うまくいった型をそのまま使っても、どうしても成果にばらつきが出てしまいます。「このパターンはうまくいくだろう」と思っていたものが外れることが多々あります。反応の良い企画を毎回考え続けないといけないのが、一番難しいところです。
キャンペーンは飽きられれば成果が落ちるため、反応の良い企画を作り続けなければなりません。それでも企画力だけで成果を伸ばし続けるには限界があります。だからこそ、成果を最大化する仕組みが必要でした。そこで、配信を見ていて興味はあるものの、購入には至っていないお客様の背中を押せるような取り組みができないかと考えていました。
“ある施策”から着想を得たリターゲティング配信
LINEのリターゲティング配信は、どんなきっかけで始まったのですか。
西岡様:実は、カゴ落ちSMS配信から着想を得ました。スタークスさんのカゴ落ちSMS配信サービス(ReCV)の成果が良かったので、同じことをLINEでも再現できないかと考えたのが始まりです。
カゴ落ちSMSは、購入フォームの入力途中で離脱してしまったお客様にSMSを配信し、購入し忘れをリマインドする仕組みです。LINEのキャンペーン配信でも、購入しようと思ったものの購入には至っていないお客様に、同じようにリマインドの配信ができないかと考え始めました。
リターゲティング配信は、事例のない中からのチャレンジだったと思います。どのように取り組まれましたか。
西岡様:このLINEリターゲティング配信のアイディアをスタークスさんに相談した時は、まだ事例もなく、当時の機能では配信が難しい状況でした。しかし、できないという返答ではなく、「まずはテストでやってみましょう」という返答をいただき、そこから二人三脚で施策の実現に向けて進めることができました。
LINEのリターゲティング配信では、どんな成果が出ましたか。
西岡様:リターゲティング配信だけで見ると約100円のCPAで獲得できています。僕らとしてもやってみて良かったと思っていて、社内のナレッジになりました。成功事例の一つになったかなと思います。広告の獲得単価が上がり続ける中で、配信を見て買わなかったお客様に約100円で届けられるようになりました。
LINEの配信料金が変わります。だからこそ、この取り組みの重要性は増していきそうですね。
西岡様:そうですね。LINEの配信料金が今後改定されるため※、配信費用あたりのCPAの重要度は一層増していくと考えています。LINEの配信単価が上がるほど、ターゲティングの精度が成果を左右します。アクティブなお客様をどれだけ正確にセグメントできるかが、LINE運用で最も重要になると考えています。リターゲティング配信は、その検証を先行して進めてきた取り組みでもあります。
※2026年10月1日からLINE公式アカウントの配信料金が改定されます
リターゲティングにとどまらない、LINEのアクティブなお客様をセグメントする配信
LINEでアクティブなお客様をセグメントする取り組みにも挑戦されていると伺いました。
西岡様:今後LINE配信のターゲティング精度が重要になってくるので、リターゲティング配信だけではなく、LINE上でアクティブなお客様を抽出し、配信する取り組みも進めています。LINE上の行動履歴を基にセグメントする取り組みです。スタークスさんのリピートラインにも、当初はそうしたリストを抽出する機能がありませんでした。そのため、リストを抽出できるようにするところから一緒に取り組み始めました。

施策の進捗はいかがですか。
西岡様:最初はリストの抽出やセグメントにさまざまな課題がありました。しかし、現在はアクティブなお客様をセグメントして配信できる状態になっています。検証の段階は終えたので、定常的に配信できるように準備を進めているところです。
高頻度の配信でも、少人数で回し続けられる理由

かなりの高頻度で配信されていますが、それを回せる体制にはどんな工夫がありますか。
西岡様:基本的には過去の成果が良かったクリエイティブから傾向を見つけて、今回の施策に落とし込めるかを議論しながら進めています。
施策を回しはじめた頃はデザイナーから「スケジュールが厳しい」という声をよくいただき、なんとか施策を回している状況でした。しかし、今は成果が出るパターンのナレッジがたまっており、効率的に企画準備ができる状態を作れています。キャンペーンの企画ノウハウとクリエイティブの勝ちパターンが社内に蓄積されていることが、少人数でも高頻度の配信を続けられている理由です。
キャンペーンには、どんなバリエーションがあるのでしょうか。
西岡様:商品の提案の仕方を工夫したり、LINE上で簡単なゲーム要素を作って、思わず試してみたくなる見せ方にしたりと、企画ごとに工夫を重ねています。他にもアンケートを絡めたお客様体感型の施策など様々な形でキャンペーンを実施しています。
「できない」で終わらせず、「この形ならできる」から始める
前例の少ないLINE施策に次々とチャレンジできているのはなぜですか。
西岡様:いくつか要因がありますが、一つはスタークスの担当者の向き合い方があったと思います。「できない」と言うのは簡単じゃないですか。でも「100%やるのはできないけど、こういう形だったらできますよ。まずこれからやってみませんか」と提案してくれたことで、新しいチャレンジができていると思います。システムの機能面でのできる・できない以上に、その積み重ねが重要だったと感じています。
スタークスとの取り組みでLINE施策はどんな変化がありましたか。
西岡様:初期実装の頃から一緒に取り組んできて、アカウントのリリースやつなぎ込みからお手伝いいただきました。提案をもらいながら、一つずつ形にしてきた感じです。リターゲティングもセグメント配信も、その延長線上にあります。
最後に、リピートラインの活用を検討しているEC・D2Cのご担当者へメッセージをお願いします。
西岡様:やりたいことを伝えることが重要だと思います。システムの機能としてできる・できないはあるかもしれませんが、相談すれば必ず向き合ってくれると思います。もう一つは、システムの仕様について自身でも理解を深めることで実現できる施策が広がると考えています。今までの取り組みを振り返ってみても仕様をある程度理解していたからこそアイディアを出せた施策も多いですし、お互いのシステムの仕様を理解していると「このデータを保持しているからこれはできますか」という議論ができるようになり、新たな施策にチャレンジできているのだと思います。
ホーユー株式会社
白髪染めなどのヘアカラーで知られるブランド「ビゲン」を展開するヘアケアメーカー。EC事業部ダイレクトチームが、頭皮ケアローション「ビゲン スキャルプエッセンス」などを扱う自社EC「ホーユーダイレクト」に加えて、楽天市場とAmazonの店舗を運営している。
株式会社ナチュラルビューティハウス
エイジングケアブランド「ストレピア」を展開するD2C企業。2014年に神奈川県横浜市で創業し、HSP(ヒートショックプロテイン)に着目した独自成分を軸に、スキンケア化粧品の企画・開発・通信販売を手がける。シニア世代を中心とした肌悩みに応える商品を、定期通販で提供している。
株式会社ロカボワークス
「尿酸と脂肪のダブルバスター」をはじめとするヘルスケア商品を展開するD2C企業。少人数のチームで通販事業を運営している。新規獲得の効率を優先してメールアドレスを取得しない設計を採っており、購入後に使える連絡先であるLINEと電話番号を軸に、購入直後14日間のアップセル配信をCRMの中心に据えた運用を行っている。