LINE公式アカウントのステップ配信とは?できること一覧から成果を出すコツまで解説

LINE公式アカウントのステップ配信とは?できること一覧から成果を出すコツまで解説

LINE公式アカウントで利用できる「ステップ配信」は、あらかじめ設定した開始条件や配信間隔に基づいて、ユーザーに自動でメッセージを届けられる便利な機能です。条件分岐を活用することで、一人ひとりに合った内容を配信することができ、顧客との関係構築や購買促進にもつながります。

本記事では、LINEステップ配信の基本から具体的なやり方、活用事例、よくあるステップ配信が停止されてしまうケースの原因、料金プランの違いまでを幅広く解説します。

LINE公式アカウントによるステップ配信とは

LINE公式アカウントの「ステップ配信」とは、ユーザーの登録や特定の行動を起点に、あらかじめ設定したタイミングでメッセージを自動的に配信できる機能です。いわゆる「ステップメール」と呼ばれるメールマーケティングの手法と似ており、ユーザーの状態に応じて段階的に情報を届けていくことで、関係構築や購買促進につなげます。

たとえば、新規でLINEの友達追加がされた際に

  1. 当日もしくは翌日にウェルカムメッセージを送る
  2. 数日おきに商品・サービスを紹介する
  3. 利用可能なクーポンを配信する
  4. クーポンの利用期限に関するリマインドを実施する

といった設計が可能です。さらに、条件分岐や配信タイミングの調整により、ユーザー一人ひとりに合わせた内容を届けることもできます。

従来の「ステップメール」に比べるとLINEは開封率が高く、ユーザーとの距離感も近く感じられるため、より効果的なステップコミュニケーションが実現可能です。マーケティングの自動化顧客との継続的な接点を両立できる点が、LINEステップ配信の大きな魅力といえるでしょう。

ステップ配信が利用可能なLINE公式アカウントのプラン

LINE公式アカウントのステップ配信機能は、すべてのプランで利用可能です。これにより、初期費用をかけずに始めたい企業や個人事業主でも、マーケティングオートメーションを取り入れたコミュニケーションが実現できます。

現在、LINE公式アカウントには「コミュニケーションプラン」「ライトプラン」「スタンダードプラン」の3種類があります。
「コミュニケーションプラン」は月額0円で200通までメッセージ配信が可能。「ライトプラン」は月額5,000円(税別)で5,000通、「スタンダードプラン」は月額15,000円(税別)で30,000通まで配信できます。
スタンダードプランのみ超過分を1通ごとの従量課金(〜3円)で追加配信できる点が特徴です。

プラン名料金(税別)メッセージ通数(月)追加メッセージ(税別)
コミュニケーションプラン0円200通不可
ライトプラン5,000円5,000通不可
スタンダードプラン15,000円30,000通〜3円 / 通

ステップ配信は、設定次第で数日〜数週間にわたってメッセージが継続して配信されるため、プランごとの通数上限を意識して運用することが重要です。
特に複数ステップの配信設計を行う場合や登録者数が多いアカウントでは、通数の消費ペースにも注意が必要です。配信内容と予算のバランスを考慮して適切なプランを選びましょう。

LINE公式アカウントのステップ配信でできること

LINE公式アカウントのステップ配信は、単に「メッセージを順番に送る」だけの機能ではありません。
ユーザーの行動やタイミングに合わせて配信を最適化できる複数の設定が用意されており、パーソナライズされたコミュニケーションを実現できます。ここでは、実際に設定可能な代表的な6つの機能について詳しく解説します。

  • 開始条件の設定
  • 条件分岐の設定
  • 待ち時間の設定
  • 最大10通のメッセージ設定
  • 画像やクーポンの配信
  • テンプレートの使用

開始条件の設定

ステップ配信は、あらかじめ設定する開始条件をもとにスタートします。開始条件は、「友だち追加直後」もしくは「特定のオーディエンスへの参加時」から選択でき、ユーザーの状態や行動に応じた自動配信が可能です。

「友だち追加直後」の場合は、「すべての経路」か「特定の経路」かで選択ができます。「特定の経路」では、検索や友だち追加URL・QRコード、公式アカウントリストなどさまざまな経路から選択が可能です。

友達追加時の経路を特定することで、よりユーザー状態に沿ったメッセージ配信の設定を行うことができます。

次に、「オーディエンスへの参加時」について説明します。
オーディエンスとは、ユーザーの属性や行動履歴(例:クリック・購入・回答など)に基づいて自動的に分類されるグループのことです。具体的には、配信したメッセージに含まれるリンクをクリックしたかどうかといったシンプルなものから、リッチメニューを表示したユーザーを対象などさまざまな設定が可能です。

ちなみに配信先として設定する場合は、50人以上のユーザーが必要です。オーディエンスをうまく活用することで、「特定のページを閲覧した人だけに案内を送る」といった高度な配信設計も可能になります。

開始条件をうまく設定することで、ユーザーの関心や温度感に応じた最適なタイミングでメッセージを届けられ、反応率の向上にもつながるといえます。

条件分岐の設定

ステップ配信では、ユーザーの行動や属性に応じて配信内容を変える「条件分岐」の設定も可能です。条件分岐は「オーディエンス」と「属性」にて設定が可能です。

「属性」には、性別・年齢・OS・地域が含まれます。

年齢男性 / 女性
性別14歳以下 / 15~19歳,20~24歳といった形の4歳毎 / 70歳以上
OSAndroid / iOS / Windows Phone / BlackBerry / Nokia / Firefox
地域地方>都道府県

たとえば、「オーディエンス」を用いる場合は、あるメッセージを配信した際に「URLをクリックしたユーザー」と「クリックしなかったユーザー」というオーディエンスを設定し、それぞれに対して異なるメッセージを送るといった条件分岐を設定することで、反応に応じたフォローアップが行うことが可能です。

「属性」の場合は、関東地方の30代女性のうち、iOS端末を利用しているユーザーのみに配信といった形で特定のターゲットに絞った配信設計が可能になります。

この条件分岐により、一律の配信ではカバーできない細やかな対応ができるようになります。
商品の購入履歴、アンケートの回答内容、タグ付けされた属性情報などに応じて分岐させることで、ユーザー体験を向上させながら、より自然なコンバージョン導線を構築できます。

待ち時間の設定

ステップ配信の各メッセージには、「次の配信までの待ち時間(インターバル)」を自由に設定できます。

たとえば「友だち追加から1日後にメッセージAを送信」「その2日後にメッセージBを送信」といったメッセージ配信のタイミングの調整が柔軟に行えます。

この機能によって、ユーザーにとって無理のないペースで情報を届けることができ、過剰な配信によるブロック離脱のリスクを避けることにもつながります。また、キャンペーンやセールのスケジュールに合わせた事前設計にも活用でき、マーケティング施策の自動化に大きく貢献します。

最大10通のメッセージ設定

LINE公式アカウントのステップ配信では、1つのステップ配信シナリオにつき最大10通のメッセージを設定することが可能です。これにより、適切なボリュームでユーザーとのやり取りを継続でき、導線設計の自由度も十分に確保されています。

たとえば「サービス紹介 → 利用者の声 → クーポン配信 → リマインド」のように、段階的に関心を高めながらアクションへ導くストーリー設計が可能です。最大メッセージ数が決まっているからこそ、伝える内容を明確にし、効果的な順序で構成することが求められます。決まった通数のなかでも十分な成果を生み出すためにも、うまく設定していくことが重要です。

画像やクーポンの配信

ステップ配信では、テキストだけでなく画像やクーポンを組み合わせたメッセージも配信可能です。たとえば、商品やサービスの利用シーンがイメージできる画像を配信したり、限定キャンペーン用のクーポンを自動で届けたりといった活用ができます。

視覚的な訴求力のあるコンテンツを差し込むことで、より興味喚起できたり、クリック率の向上にも効果的といえます。特にクーポンは購買を後押しする強力なインセンティブとして機能し、ステップの終盤でのコンバージョン向上にも貢献するでしょう。

テンプレートの使用

LINE公式アカウントのステップ配信では、配信シナリオをゼロから設計するだけでなく、あらかじめ用意されたテンプレートを使って配信を開始することも可能です。

テンプレートでは、開始条件・待ち時間・メッセージ内容がすでに設定された状態となるので、あとはメッセージ内容等を編集するだけで簡単に設定ができるため、配信構成を一から考えなくても、基本的なステップ配信の流れを効率よく構築できるといえます。

より詳しい設定方法については、次章にて説明します。

LINE公式アカウントによるステップ配信のやり方

LINE公式アカウントのステップ配信の設定は、管理画面上で直感的に操作できる仕様となっており、大きく2つの方法で配信設定を行うことが可能です。ひとつはゼロから自由にメッセージを設計できる「新規メッセージを作成」を使う方法、もうひとつはあらかじめ保存したシナリオを再利用できる「テンプレートを使用」する方法です。

それでは、それぞれ使い方と操作時に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

  • 『新規メッセージを作成』で配信
  • 『テンプレートを使用』で配信

『新規メッセージを作成』で配信」

ステップ配信を初めて設定する場合は、「新規メッセージを作成」から始めるのが基本です。この場合、7つのステップに沿って設定を進めます。

  1. メニュー「ステップ配信」>新規メッセージを作成
  2. 基本設定を入力
  3. 開始条件を設定
  4. ステップ追加>メッセージを配信
  5. 必要な数だけメッセージを追加
  6. 必要に応じて条件分岐を追加
  7. 「利用開始」で配信スタート

以下で、それぞれ詳しく説明します。

1.メニュー「ステップ配信」>新規メッセージを作成

配信シナリオをゼロベースから設計する際は、LINE公式アカウントの管理画面にある「ステップ配信」メニューから「新規メッセージを作成」を選択します。

2.基本設定を入力

次に基本設定の入力を進めます。

  • タイトル
  • タイムゾーン
  • 有効期間
  • 配信数の上限

の4つの項目があるので、それぞれ配信の内容に合わせて設定しましょう。 「有効期間」については、キャンペーンなど期間限定の施策を実施する際に使用すると便利です。また、メッセージの配信数を制限したい場合は上限の設定を行うと良いでしょう。

3.入力開始条件を設定

ここからは実際の配信内容について設定を進めていきます。まずは「開始条件の設定」で、どのタイミングで配信を始めるかを決めます。ここでいうタイミングとは前述した、「友だち追加直後」と「特定のオーディエンスへの参加時」から選びます。

友だち追加直後」の場合は、いつ以降の友達追加を対象とするのかや経路の選択など細かく設定が可能です。

特定のオーディエンスへの参加時」の場合は、任意で設定したオーディエンスへの参加が確認できた際に配信されます。

4.ステップ追加>メッセージを配信

次にメッセージ内容について決めていきます。ステップ追加を押下後、「メッセージを配信」を選択します。ここでは1通目のメッセージが送られるまでの期間メッセージの内容を設定します。

指定できる期間は最大30日です。

メッセージには、テキストや画像だけではなくリッチメッセージや動画、クーポンの設定ができます。

メッセージについては、内容だけではなく、いつ配信するのかの時間帯を1時間ごとに設定することができます。

5.必要に応じて条件分岐を追加

条件分岐を設定する際は、+ボタンを押下後、「条件分岐を追加」を選択します。

条件分岐は、

  • 条件ラベル(任意)
  • 属性
  • オーディエンス

を用いて設定します。

「属性」については、性別、年齢、OS、地域の4つのカテゴリーで設定が可能です。「オーディエンス」と組み合わせることでより明確にターゲットを絞った形での配信を実現することができます。

条件分岐を設定した後は、それぞれの分岐に対し任意のメッセージを追加します。

6.必要な数だけメッセージを追加

これまでの設定を必要な数だけ繰り返します。メッセージ配信は1ルートにつき最大10通まで設定可能です。

7.「利用開始」で配信スタート

全体の配信設計が完了したら、内容を改めて確認した上で、最後に「利用開始」を押下し、ステップ配信の設定が完了します。初回は試験的に短めのシナリオから始めて、ユーザーの反応を見ながら改善を繰り返して最適化していくのがおすすめです。

『テンプレートを使用』で配信

LINE公式アカウントのステップ配信では、配信シナリオをゼロから設計するだけでなく、あらかじめ用意されたテンプレートを使って配信を開始することも可能です。このテンプレート機能を利用することで、配信構成を一から考えなくても、基本的なステップ配信の流れを効率よく構築できます。

使用できるテンプレートには、「友だち追加後のフォローアップシナリオ」や「レビュー依頼シナリオ」など、よくあるユースケースに沿ったパターンがあらかじめ複数用意されています。テンプレートを選択すると、開始条件・待ち時間・メッセージ内容がすでに設定された状態で編集画面が表示され、そこから自社に合わせた内容に編集していく形で配信設定を進めます。

『テンプレートを使用』で配信する場合は、以下の5つのステップに沿って設定を進めます。

  1. メニュー「ステップ配信」>テンプレートを使用して作成
  2. テンプレートを選択
  3. テンプレートの内容が反映された状態で編集開始
  4. メッセージ内容や条件、画像・クーポンなど必要な箇所を調整
  5. 「利用開始」で配信スタート

以下で、それぞれ詳しく説明します。

1.メニュー「ステップ配信」>テンプレートを使用して作成

テンプレートを使用して配信シナリオを設計する際は、LINE公式アカウントの管理画面にある「ステップ配信」メニューから「新規メッセージを作成」を選択します。

2.テンプレートを選択

次に使用するテンプレートを選択します。テンプレートは、4つのカテゴリーから選択することができます。

  • フォローアップ
  • 再来店促進
  • レビュー・チャットの依頼
  • サービス・商品の宣伝

「フォローアップ」では、友達追加された日から3日後にメッセージを送る「短期」と30日後に送る「長期」の2パターンが、「再来店促進」では、店舗で友達追加された5日後にメッセージを送る「短期」と30日後に送る「長期」の2パターンがそれぞれ準備されています。「レビュー・チャットの依頼」と「サービス・商品の宣伝」についてはそれぞれ1パターンずつ準備されています。

ステップ配信を行う目的に沿って、適切なテンプレートを選択することが重要です。

3.テンプレートの内容が反映された状態で編集開始

テンプレートを選択したら、テンプレートの内容に沿って編集を開始します。前述した通り、開始条件・待ち時間・メッセージ内容が既に設定されているので、「※編集してください」と明記されている箇所を中心に追記編集を進めるだけで簡単にステップ配信の設定を進めることができます。

4.メッセージ内容や条件、画像・クーポンなど必要な箇所を調整

テンプレートでは、開始条件・待ち時間・メッセージ内容が既に設定されているものの、それらを状況に合わせて変更することも可能です。

送りたいステップ配信の内容に沿ってメッセージ内容を編集したり、画像・クーポンの添付、さらには条件分岐の追加など自由に調整することができます。

ベースはテンプレートを活用しつつも、それぞれカスタマイズすることでより設定作業を効率的に進めることができます。

5.利用開始」で配信スタート

さいごに、内容を改めて確認した上で最後に「利用開始」を押下し、ステップ配信の設定が完了します。

テンプレートは、「どんな流れで設計すればよいかわからない」「最初の一歩が難しい」といった悩みのある方におすすめです。ベースがあることで、配信シナリオ全体の流れをイメージしやすく、初めてステップ配信を導入する際のハードルを大きく下げてくれるでしょう。

LINE公式アカウントのステップ配信を利用するメリット

LINE公式アカウントのステップ配信は、単なるメッセージの自動化ツールではありません。うまく活用することで、ユーザーとの接点を強化しながら、業務の効率化コスト削減、販促効果の向上にもつながる強力なマーケティング施策となります。ここでは、ステップ配信を導入することで得られる代表的な4つのメリットを紹介します。

  • 開封率が上がりやすい
  • 配信業務が効率化できる
  • 顧客の育成・関係構築ができる
  • 配信コストの削減につながる

開封率が上がりやすい

LINEは日常的に使用されるコミュニケーションツールであるため、メールと比べて通知を見逃されにくく、開封率が非常に高い傾向があります。一般的なステップメールの開封率は10〜20%前後にとどまるのに対し、LINEでは50〜60%以上の開封率を記録するケースも少なくありません。

さらにステップ配信では、新規の友達追加時などユーザーのアクションに応じたタイミングでメッセージを届けられるため、より自然に読まれやすく、ユーザーの関心が高い状態でのアプローチが可能です。開封率が上がることでクリック率やコンバージョン率の向上も期待できるため、成果に直結する配信施策として有効といえるでしょう。

配信業務が効率化できる

ステップ配信の最大の強みは、メッセージをただ自動で送り続けるだけでなく、ユーザーの状態や反応に応じて情報提供を段階的に行える点にあります。各ステップごとにトピックや目的を明確にできるため、ユーザーにとっても理解しやすく、欲しい情報やコンテンツを受け取りやすい配信が可能になります。

さらに、ユーザーの反応(クリック・未クリック、ブロック、CVなど)を確認しながら改善を繰り返すことで、施策の精度を高めていくことができます。どのメッセージが効果的だったか、どのタイミングで離脱が多いかなどを把握した上で改善を繰り返すことで、無駄のないコミュニケーション設計が可能となります。

こうした仕組みにより、配信ごとの効果検証→改善→再設計のサイクルが自動的に回るため、マーケティングやプロモーション活動全体の効率化にもつながります。属人的な対応に頼らず、設計ベースで成果を積み上げていけるのが、ステップ配信の大きな魅力といえます。

顧客の育成・関係構築ができる

LINEは国内の月間利用者数9,700万人、日本の人口の約7割以上のユーザーが「ライフプラットフォーム」として利用している生活密着型のコミュニケーションツールであり、アクティブ率が高く継続的な接点を築きやすいのが大きな特長です。
ステップ配信では、その特長を活かし、ユーザー登録後すぐにサービス・商品紹介やサポート案内を配信し、数日後にはレビュー依頼やクーポン配布を行うなど、自然な流れで関係性を深める導線を設計できます。

また、LINEではテキストに加えて画像・動画・カルーセル・クーポンなどのリッチな表現が可能なため、視覚的に訴求力のあるコミュニケーションが実現できます。ユーザーごとの反応に応じた配信と組み合わせることで、エンゲージメントを高めながらCVRやLTVの向上にも寄与できるのが、LINEステップ配信の大きな魅力です。

配信コストの削減につながる

LINE公式アカウントは、プランによって月ごとの配信通数が定められており、有料プランでも上限を超えると追加費用が発生してしまいます。
ステップ配信を活用すれば、無作為な一斉配信ではなく、必要な人に必要なタイミングでメッセージを届けることができるため、配信数を最適化し、コストを抑えることが可能です。

また、あらかじめ設計されたシナリオを使い回すことで、運用の無駄や手戻りを防ぎつつ、継続的に成果を上げる体制を構築できます。

効率的かつ低コストでマーケティングを行いたい企業にとって、ステップ配信は非常に理にかなった手法といえるでしょう。

ステップ配信をする際の注意点

LINE公式アカウントのステップ配信は便利な機能ですが、すべての配信要件に対応できるわけではなく、いくつかの制限仕様上の注意点があります。特に自社のマーケティング設計やシナリオ作成を行う際には、こうした仕様を理解した上でプランニングすることが重要です。

ここでは、ステップ配信を導入・運用する際に押さえておきたい主な注意点を3つご紹介します。

  • メッセージの配信間隔に制限がある
  • 正確な配信時間の設定ができない
  • 配信条件の細かい設定ができない

制限はありますが、使い方を工夫すれば多くの配信設計に対応できます。制約を理解したうえで、無理のない設計を行うことが、ステップ配信を成功させるポイントです。

メッセージの配信間隔に制限がある

LINEのステップ配信では、次のメッセージまでの「待ち時間(インターバル)」を設定することで配信タイミングを制御しますが、この待ち時間は「◯日後」単位での設定となり、時間単位や分単位での細かい調整はできません。

たとえば「登録から6時間後にフォローアップメッセージを送りたい」といった設計は、現時点では実現できません。あくまで「1日後」「2日後」など、日単位での設計に限られます。
これにより、短時間で複数のメッセージを届けるような高頻度・即時性重視のコミュニケーションには不向きである点は留意が必要です。

正確な配信時間の設定ができない

LINE公式アカウントのステップ配信では、メッセージの配信時間を1時間単位の時間帯で設定する形式になっており、「21時ぴったり」といった分単位での正確な指定はできません
「20~21時」「21~22時」といった、幅のある時間帯での配信予約となるため、ユーザーの利用タイミングに合わせて配信したい場合は注意が必要です。

また、配信通数が多い場合や、設定時間帯が混雑する時間に集中すると、意図した時間帯に届かず翌日に持ち越されるケースもあるとされています。このため、重要なメッセージや複数ステップの配信を確実に届けたい場合には、時間設定にある程度の余裕を持たせる設計が推奨されます。

なお、LINEヤフー社では、最低でも3時間以上の配信時間枠を設けることが推奨されており、安定的な配信のためにもこのガイドラインに従った設計が望ましいといえるでしょう。

配信条件の細かい設定ができない

ステップ配信には「オーディエンス」や「属性情報」に基づく条件分岐が可能ですが、細かな条件設定には限界があります
たとえば「特定のリンクを3回以上クリックした人にだけ配信」「特定の商品ページを3日以内に閲覧した人にだけ配信」といった、複雑な行動トリガー履歴ベースのセグメント設定はLINE公式アカウント単体では対応できません。

このような柔軟な条件分岐リッチなユーザー管理を必要とするより高度な設計をしたい場合は、外部のMA(マーケティングオートメーション)ツールとの連携の検討が必要になります。

ステップ配信がうまくいかない主な原因3つ

LINE公式アカウントでステップ配信を運用していると、途中でステップが停止してしまう、あるいは設定通りに配信されないといったトラブルが発生することがあります。
これらは配信システムの不具合ではなく、仕様に基づく動作である場合が多く、あらかじめ原因を知っておくことで回避できます。

ここでは、ステップ配信がうまくいかない代表的な3つの原因と、その対処の考え方を解説します。

  • 加入プランのメッセージ配信数の上限に達している
  • ステップ配信中にユーザーにブロックされた
  • ステップ配信開始後に内容を変更した

ステップ配信が止まる原因は、いずれも仕様上の挙動であり、正しく理解しておけば十分に回避できます。トラブルが起こる前にこれらを把握し、安定した運用体制を整えておきましょう。

加入プランのメッセージ配信数の上限に達している

LINE公式アカウントの配信には、契約プランごとに月間で送信できるメッセージ通数の上限が設定されています。コミュニケーションプラン(200通)・ライトプラン(5,000通)・スタンダードプラン(30,000通)のそれぞれで上限に達すると、それ以降のステップ配信は自動的に停止または延期される仕組みとなっています。

プラン名料金(税別)メッセージ通数(月)追加メッセージ(税別)
コミュニケーションプラン0円200通不可
ライトプラン5,000円5,000通不可
スタンダードプラン15,000円30,000通〜3円 / 通

特にステップ配信は、複数通にわたって配信される設計が多いため、シナリオ数や登録者数が増えるほどメッセージ通数の消費が加速します。予想以上に早く上限に到達してしまうこともあるため、月間の通数残量は定期的に確認し、必要に応じてプランの見直しメッセージの絞り込みを行うことが重要です。

ステップ配信中にユーザーにブロックされた

ステップ配信の途中でユーザーがアカウントをブロックした場合、そのユーザーに対するステップ配信は即時停止されます。これはLINEの仕様上、自動的に処理されるもので、ブロックが解除されない限り、再開されることもありません。

メッセージの配信タイミングや頻度、内容が不快に感じられるとブロックにつながるリスクがあるため、一方的なセールス感を避けた構成や、頻度設計のバランスが重要になります。ユーザーの離脱を防ぐためにも、初期配信で期待値を伝えたり、配信停止の案内を明記するといった工夫も効果的といえます。

ステップ配信開始後に内容を変更した

ステップ配信開始後に内容を変更した場合、ユーザーのアクション状況=トリガーが発動しているかどうか次第で配信される内容が変わります。
そのため、変更した内容を配信したかったにもかかわらずその時点でトリガーが発動されてしまっている場合は、変更前の内容が配信されてしまいます。

  • トリガーが発動している場合:内容変更前のメッセージが配信される
  • トリガーは発動していない場合:内容変更後のメッセージが配信される

内容変更を行う際には、上記の点に留意した上で慎重に行うようにしましょう。

LINE公式アカウントのステップ配信の活用イメージ

ステップ配信は、ユーザーの行動登録タイミングに応じて、メッセージを段階的に届けられる機能です。その特性を活かすことで、さまざまな目的に対応したマーケティング施策を効率的に実施できます。
ここでは、LINE公式アカウントのステップ配信が実際にどのように活用されているのか、代表的なシーン別に紹介します。

  • 新規ユーザーへのウェルカム施策
  • 継続利用や再訪を促すフォローアップ
  • サポートやフォローアップ施策

新規ユーザーへのウェルカム施策

もっとも一般的な使い方が、新しく友だち追加をしたユーザーへの初期アプローチです。

たとえば、以下のような流れです。

  1. 当日追加後もしくは翌日に挨拶メッセージや特典クーポンを配信する
  2. 数日後に商品・サービス紹介を配信する
  3. レビュー依頼などの内容を段階的に配信する

このような流れにすることで、ユーザーが迷うことなくブランドやサービスに興味を持ちやすい導線が作れ、離脱を防ぐだけでなく、エンゲージメントの高いユーザー育成にもつながるといえます。

継続利用や再訪を促すフォローアップ

ステップ配信は、継続利用やリピータ施策にも効果を発揮します。

たとえば、以下のような流れです。

  1. 特定商品の購入ユーザーに対して、利用方法ガイドを配信する
  2. 数日後に関連商品の紹介を配信する
  3. 一定期間経過後に再購入クーポンやキャンペーン情報を配信する

また、関係性を自然に深めていくような活用例も考えられます。

  1. 体験予約や初回カウンセリングの申し込みがあったユーザーに対するサービスの流れや当日の案内を配信する
  2. 利用後に満足度の確認や次回利用の提案を配信する
  3. 段階的に期間限定のお知らせなどを配信する

さらに、しばらく利用のないユーザーに対して、登録から一定期間が経過したタイミングで「その後いかがですか?」といった軽やかなリマインドを送ることもできます。無理のない頻度でアプローチできるため、ユーザーにストレスを与えることなく、再利用や再訪のきっかけを生み出せます。

このように、タイミングをずらしながら段階的に接点を持つことで、ユーザーに過度な負担をかけず、自然な形で再訪や再購買へと導けます。

サポートやフォローアップ施策

また、ステップ配信はサポート用途としても活用できます。

新規ユーザーに対してFAQや活用法、登録の確認などを段階的に案内することで、サポート対応の軽減ユーザーの不安解消に役立ちます。

特にサービス型のビジネスでは、ステップ配信によるフォローが顧客満足度の向上に直結するため、コンバージョン後のケアにも有効です。

ステップ配信は、LINEの高い到達率と即時性を活かしながら、さまざまなユーザー行動に対して自然な情報提供の流れを作れる点が大きな特長です。自社の目的やユーザーのニーズに応じて、柔軟に活用方法を設計していくことが成功の鍵となります。

LINE公式アカウントのステップ配信を成功させるコツ

ステップ配信は、設定次第でユーザーとの関係構築を着実に進められる非常に強力な手法です。しかし、ただ自動配信を行うだけでは効果は限定的となります。ユーザー視点での設計細かな工夫を積み重ねることで、成果に大きな差が生まれます。ここでは、LINE公式アカウントのステップ配信を成功させるために意識すべき5つのポイントをご紹介します。

  • 顧客の気持ちや状態に寄り添ったシナリオで配信する
  • 伝えたいことは何度か配信する
  • リッチメニューも活用する
  • アイコンをブランド名(サービス名・商品名)にする
  • 外部ツールを活用する

顧客の気持ちや状態に寄り添ったシナリオで配信する

ステップ配信では、一方的な情報提供ではなく、ユーザーの興味・関心・行動ステージに合わせた設計がカギになります。

たとえば、登録直後のユーザーには安心感を与えるウェルカムメッセージ、利用後のサポート情報やレビュー依頼など、段階的に関係を深めていく設計が効果的です。ユーザーの心理を想像しながら、「今、何が必要か?」を考えてシナリオを構築することが成果につながるといえます。

伝えたいことは何度か配信する

ユーザーはすべてのメッセージを確実に読んでいるとは限りません。特に初回で伝えたい重要な情報や案内がある場合は、伝え方を変えて数回に分けて配信するのが有効です。

リマインドや補足を適度に織り交ぜることで、理解と行動を促進できます。ただし、しつこく感じさせないよう、タイミングと表現には配慮が必要です。

リッチメニューも活用する

ステップ配信とあわせてリッチメニューを有効活用することで、ユーザーが次に取るべきアクションをわかりやすく提示できます。特にLINEはチャット形式のため、メッセージだけでは情報が流れてしまいがちです。

そこで常に表示されるリッチメニューに問い合わせ・予約・サービス / 商品一覧などの導線を設けることで、自然な動線設計が可能になります。ステップ配信のメッセージからメニューへの誘導も組み合わせると効果的です。

アイコンをブランド名(サービス名・商品名)にする

LINE公式アカウントの配信元は、プロフィール画像アカウント名がユーザーに表示されるため、アイコンや名前の設計も成果に影響します。
ユーザーがサービスや商品をを目当てに友だち追加している場合、その会社名までは認知していない場合が多いため、ブランド名(サービス名・商品名)をわかりやすく明示する必要があります。

また、ブランド名が明確に表示されていれば、ユーザーが誰からのメッセージなのか直感的に理解でき、開封率信頼感の向上に貢献します。
特にキャンペーンなどで複数のアカウントを使い分けている場合などは、アイコンと名前の整合性に気を配ることが重要といえます。

外部ツールを活用する

LINE公式アカウントのステップ配信機能は便利ですが、配信条件やシナリオ設計に制限があるのも事実です。より柔軟な条件分岐やリッチなセグメント配信、詳細な効果測定を行いたい場合は、外部のMA(マーケティングオートメーション)ツールといった外部ツールの導入も検討しましょう。
外部ツールとLINE公式アカウントを連携することで、より高度なマーケティング設計パーソナライズ配信が可能になるでしょう。

リピートラインであらゆるLINE施策を実現

リピートラインでは、利用中の顧客管理システムと連携することで、LINEで新規顧客獲得やCS業務が実施できます。

具体的には、定期利用時に購入日・配送日・お届け予定日といったLINE公式アカウントだけでは実現できない起点でCRM施策が実施できることに加え、商品コードや定期購入回数などといったその他の細かなセグメント分けも実現が可能です。

また、リピートラインではあらゆる顧客管理システムと連携可能なため、すでに利用しているシステムと公式LINEを連携し、公式LINEをより有効活用することができます。

リピートラインについて詳しく知りたい方はこちら

LINE公式アカウントのステップ配信は、ユーザーの行動や登録タイミングに応じてメッセージを自動で届けられる、非常に汎用性の高い機能です。適切に設計すれば、開封率・CVR・LTVといった指標の改善にもつながり、マーケティングや顧客対応の効率化に大きく貢献します。

正しく運用すれば、LINEは単なる通知手段ではなく、継続的な関係構築を支える強力なCRMチャネルとして機能してくれることになるでしょう。

株式会社ストークメディエーション

パーソナライズヘアカラーブランド『COLORIS(カラリス)』を展開し、定期通販サービスを提供している。 『COLORIS』では、WEB カウンセリングに基づいて、一万通りの処方から一人ひとりに最適な処方で、ヘアカラー&トリートメントをカスタマイズして販売。購入後もマイページ上で担当スタイリストが継続サポートを行う。 『COLORIS』は、宝島社の美容誌「&ROSY」2020年3月号の「編集部が選ぶベストコスメ」にて、ヘアケア部門で第1位を受賞。

詳しく見る

株式会社エイチームウェルネス

エイジングケア化粧品ブランド『lujo』などの開発・販売を行う。 『lujo』は、さまざまなテクノロジーを用いた成分や処方により、効果を実感できるエイジングケアを目指した、化粧品ブランド。化粧水や美容クリーム、リキッドファンデーションなどの製品を取りそろえる。 同社は、比較サイトや情報サイトなど、さまざまなウェブサービスの企画・開発・運営などを行う「株式会社エイチーム」のグループ会社である。

詳しく見る

株式会社オモヤ

「人×価値あるもの×テクノロジーで世界中を幸せにする」をミッションに掲げ、EC事業・広告制作事業を展開。4つのECブランドを運営し、体にまつわる女性の悩みやコンプレックスを解消するほか、生活習慣の改善やわんちゃんの健康をサポートする商品を提供している。

詳しく見る

Contact Us

お問い合わせ

サービスに関してのお悩みや料金など
お気軽にお問い合わせください