ECサイトにおけるCRMの必要性とメリット。導入時の注意点も解説

ECサイトにおけるCRMの必要性とメリット。導入時の注意点も解説

ECサイトの売上を継続的に伸ばしていくためには、新規顧客の獲得に加えて、既存顧客との関係をいかに深めていくかが重要なポイントとなります。その取り組みを支える手法として注目されているのが、顧客情報を活用したCRMの活用です。

しかし、「なぜ必要なのか」「導入すると何が変わるのか」が明確でないまま、検討が止まってしまうケースも少なくありません。本記事では、ECサイトにおけるCRMの役割や導入のメリット、注意すべきポイントを整理し、売上向上につなげるための考え方を分かりやすく解説します。

CRMとは?

CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。企業が保有する顧客情報を一元的に管理し、そのデータを活用して顧客一人ひとりに適したコミュニケーションや施策を行うための考え方、または仕組みを指します。

ECサイトにおけるCRMは、単なる顧客名簿の管理ではありません。購入履歴や購入頻度、閲覧履歴、メールの開封状況など、さまざまな行動データを蓄積・分析することで、顧客のニーズや興味関心を把握することが可能になります。これにより、画一的な販促ではなく、顧客の状況に合わせたアプローチを実現します。

近年では、EC市場の競争が激化する中で、価格や商品力だけで差別化を図ることが難しくなっています。そのため、顧客体験の質を高め、長期的な関係を築くCRMの重要性が、ECサイト運営においてますます高まっているといえます。

ECサイトにおけるCRMの必要性

ECサイトを運営していると、「アクセス数は増えているのに売上が伸びない」「一度購入した顧客がなかなか定着しない」といった課題に直面することがあります。こうした状況の背景には、顧客一人ひとりの行動やニーズを十分に把握しきれていないという問題が潜んでいるケースも少なくありません。

EC市場の競争が激しくなる中で、限られたリソースを有効に活用し、成果につなげていくためには、顧客との関係性を戦略的に構築していく視点が欠かせません。そこで重要となるのが、ECサイトにおけるCRMの活用です。

新規顧客の獲得コストは割高である

ECサイト運営において見落とされがちなのが、新規顧客の獲得にかかるコストの大きさです。広告出稿やキャンペーン施策、ポイント付与など、新規顧客を獲得するためには多くの費用と手間が発生します。一般的に、新規顧客の獲得コストは、既存顧客を維持するためのコストの約5倍かかるといわれており、効率面での課題は決して小さくありません。

一方、すでに購入経験のある顧客は、商品やサービスへの理解があるため、比較的低いコストで再購入につなげることが可能です。しかし、新規獲得に偏った施策を続けていると、広告費ばかりが増え、利益率が伸び悩む状況に陥りやすくなります。

このような背景から、ECサイトでは新規顧客の獲得と並行して、既存顧客との関係性を深め、継続的な購入を促す取り組みが重要となります。CRMを活用することで、顧客情報をもとに適切なフォローや施策を行い、過度に高い獲得コストに依存しない運営体制を構築することが可能になります。

リピート率の向上が利益に直結する

ECサイトにおいて、初回購入は必ずしも利益につながりやすいとは限りません。集客のための広告費に加え、初回限定の割引やキャンペーンを実施するケースも多く、結果として利益が出づらい構造になりがちです。そのため、単発の購入で終わってしまうと、コストだけが先行してしまう可能性があります。

ECサイトの売上は、以下の要素の掛け合わせで成り立っています。

  • アクセス数 × 購入率(CVR) × 客単価

この中でも、リピート率の向上は、購入率や客単価の改善に直結しやすく、効率的に売上を伸ばすための重要な要素です。再購入が増えることで、追加の広告費をかけずに売上を積み上げることが可能になります。

CRMを活用し、顧客の購入履歴や行動に応じたフォローを行うことで、リピート率を高める施策を実行しやすくなります。結果として、初回購入時にかかったコストを回収し、安定した利益構造を築くことにつながります。

リピート顧客は「購入金額」「購入頻度」が高い

リピート顧客は、新規顧客と比較して「購入単価」や「購入頻度」が高くなる傾向があります。すでに商品やサービスへの理解があるため、購入時の心理的ハードルが下がり、関連商品や上位商品を選択しやすくなるためです。また、定期的に購入を重ねることで、結果として1人あたりの総支出額も大きくなります。

こうした傾向は、調査データからも確認されています。例えば、Bain & Company(ベイン・アンド・カンパニー) が公開している顧客ロイヤルティに関するレポート*では、既存顧客は新規顧客に比べて購入額が増加しやすく、長期的な取引によって企業にもたらす価値が高まることが示されています。短期的な売上だけでなく、継続的な支出という観点からも、既存顧客の重要性が裏付けられています。

ECサイトでは、CRMを活用することで、リピート顧客の購入履歴や購買傾向を把握しやすくなります。そのデータをもとに適切な提案やフォローを行うことで、購入単価や購入頻度の向上を促し、顧客との取引を長期的に継続し、1人あたりの売上を安定して伸ばしていくことが可能になります。

*Bain&Company「The Value of Online Customer Loyalty And how you can capture it

ECサイトにCRMを導入するメリット

ECサイトにCRMを導入することで、顧客情報を単に蓄積するだけでなく、日々の運営や施策に活かせるようになります。これまで感覚的に行っていた販促やフォローを、データにもとづいて判断できるようになる点は、大きな変化といえるでしょう。

特に、顧客数や取り扱い商品が増えてくると、属人的な管理には限界が生じやすくなります。そうした課題を解消し、効率的かつ継続的に売上を伸ばしていくために、CRMはECサイト運営を支える重要な基盤となります。ここでは、ECサイトにCRMを導入することで得られる具体的なメリットについて整理していきます。

  • 顧客データの一元管理ができる
  • 顧客データのセグメント分析ができる
  • 顧客データを元にした最適なアプローチができる
  • 顧客データをオフライン施策にも展開できる

顧客データの一元管理ができる

ECサイト運営では、顧客情報が複数の場所に分散しやすいという課題があります。例えば、購入履歴はECカート、問い合わせ履歴はメールツール、メール配信は別のシステムで管理しているといったケースも少なくありません。このような状態では、顧客の全体像を把握しづらく、適切な対応や施策の判断が遅れてしまう原因となります。

CRMを導入することで、顧客の基本情報をはじめ、購入履歴や行動履歴、問い合わせ内容などを一元的に管理できるようになります。情報が集約されることで、担当者が変わっても一定の品質で顧客対応を行える点は大きなメリットです。また、顧客対応や販促施策に必要な情報をすぐに確認できるため、業務効率の向上にもつながります。

このように、顧客データを一箇所で管理できる環境を整えることは、ECサイトにおけるCRM活用の第一歩であり、後続の分析や施策を効果的に進めるための土台となります。

顧客データのセグメント分析ができる

CRMを活用することで、蓄積した顧客データをもとに、条件ごとに顧客を分類するセグメント分析が可能になります。例えば、購入回数や購入金額、最終購入日、閲覧した商品カテゴリなど、さまざまな切り口で顧客を整理できます。これにより**、「どのような顧客が売上に貢献しているのか」を具体的に把握**できるようになります。

セグメント分析を行うことで、顧客全体を感覚ではなくデータにもとづいて把握できるようになります。例えば、「購入回数が多い顧客」「一定期間購入がない顧客」といったように顧客層を明確に分類することで、それぞれのボリュームや傾向を可視化することが可能です。これにより、どの顧客層に課題があるのか、どの層が売上を支えているのかを客観的に判断でき、今後注力すべき施策の方向性を整理しやすくなります。

ECサイトでは、こうしたセグメント分析をもとに、優良顧客の育成や離脱防止といった施策を実行しやすくなります。CRMは、顧客データを「蓄める」だけでなく、「活用する」ための基盤として重要な役割を果たします。

顧客データを元にした最適なアプローチができる

CRMに蓄積された顧客データを活用することで、顧客一人ひとりの状況に応じた最適なアプローチが可能になります。例えば、過去の購入履歴や閲覧履歴をもとに、関心の高い商品を案内したり、購入タイミングに合わせた情報提供を行ったりすることができます。

一律のタイミングや内容で配信する施策では、顧客のニーズとずれてしまうことも少なくありません。しかし、顧客データをもとにしたアプローチであれば、必要な情報を必要なタイミングで届けることができ、過度なアプローチによる離脱を防ぐことにもつながります。その結果、購入率やリピート率の向上が期待できます。

ECサイトにおいては、こうした個別最適化されたコミュニケーションが顧客体験の質を高めます。CRMを活用することで、顧客との関係性を無理なく深め、長期的な信頼構築につなげることが可能になります。

顧客データをオフライン施策にも展開できる

CRMに蓄積された顧客データは、ECサイト内の施策だけでなく、オフライン施策にも活用することが可能です。オンラインとオフラインを分けて考えるのではなく、顧客情報を軸に施策を連動させることで、より一貫性のあるコミュニケーションを実現できます。

例えば、購入履歴や顧客属性にもとづいて、ダイレクトメールの送付内容を出し分けたり、実店舗での接客やキャンペーン施策に活かしたりすることが考えられます。ECサイトでの行動データをもとにオフライン施策を設計することで、顧客にとって違和感のない体験を提供しやすくなります。

このように、CRMを活用すれば、チャネルを横断した顧客理解が可能となり、オンラインとオフラインを組み合わせた施策の効果を高めることができます。結果として、顧客との接点を増やしながら、関係性をより強固なものにしていくことにつながります。

ECサイト向けCRMの主な機能

ECサイト向けCRMには、顧客情報を管理するだけでなく、分析や施策の実行を支援するさまざまな機能が備わっています。これらの機能を理解しておくことで、「自社にとって何が必要なのか」「どのCRMを選ぶべきか」といった判断がしやすくなります。

特にECサイトでは、顧客数やデータ量が増えやすいため、業務効率や施策の再現性を高める仕組みが欠かせません。CRMの機能を正しく把握し、自社の運営体制や目的に合った活用を行うことが、成果につながる重要なポイントとなります。

以下にて、ECサイト向けCRMに搭載されている主な機能を一覧で整理します。

機能名概要活用目的
顧客データ管理機能・顧客の基本情報を管理
・購入履歴や行動履歴を一元化
・顧客情報の分散を防ぐ
・誰でも同じ情報をもとに対応できる体制構築
セグメント分析機能・購入回数や購入金額で顧客を分類
・条件ごとに顧客傾向を把握
・顧客構成を可視化する
・注力すべき顧客層や課題を明確にする
メール配信機能・条件に応じたメール配信
・ステップ配信
・顧客との継続的な接点をつくる
・再購入を促進する
レポート機能・売上や顧客動向を可視化
・施策結果を数値で確認
・施策の効果を客観的に判断する
・改善点を見つけやすくする
施策管理機能・実施した施策の内容と結果の管理・施策の属人化を防ぐ
・継続的な改善につなげる

これらの機能は、すべてを使いこなすことが目的ではなく、自社の課題や運営フェーズに応じて必要なものを選び、活用していくことが重要です。そのためには、機能の有無だけでなく「自社にとって本当に必要か」という視点でCRMを検討する必要があります。

ECサイト向けCRMを選ぶ際のチェック項目

ECサイト向けCRMは、さまざまなサービスが提供されており、機能や価格、強みはツールごとに異なります。そのため、「有名だから」「多機能だから」といった理由だけで選んでしまうと、自社の運営体制や目的に合わず、十分に活用できない可能性もあります。

CRMは導入して終わりではなく、日々の運用を通じて成果につなげていくことが重要です。そのためには、自社が抱えている課題や目指したい状態を明確にしたうえで、必要な要件を整理しておく必要があります。ここでは、ECサイト向けCRMを選定する際に確認しておきたい4つのチェック項目をそれぞれ解説します。

  • 自社の目的に合った機能があるか
  • 既存システムとの連携ができるか
  • 操作や確認がしやすいか
  • サポート体制は充実しているか

自社の目的に合った機能があるか

ECサイト向けCRMを選ぶ際に、最初に確認すべきなのは「自社の目的に合った機能が備わっているか」という点です。CRMは多機能なツールが多い一方で、すべての機能が自社にとって必要とは限りません。目的が曖昧なまま導入してしまうと、使われない機能が増え、運用が形骸化してしまうおそれがあります。

例えば、「リピート率を高めたい」「顧客対応を効率化したい」「施策の効果を可視化したい」など、CRMを導入する背景にはさまざまな目的があります。まずは自社が抱えている課題や、実現したい状態を整理したうえで、それを解決するために必要な機能を明確にすることが重要です。

目的と機能が一致していれば、CRMは日々の運営を支える実用的なツールとなります。反対に、目的と合わないCRMを選んでしまうと、操作が複雑になったり、定着しなかったりする原因にもなります。自社にとって「何のために使うのか」を軸に、CRMを選定することが成果につながる第一歩といえるでしょう。

既存システムとの連携ができるか

CRMを選定する際には、すでに利用しているECカートや受注管理システム、メール配信ツールなどとスムーズに連携できるかを確認することが重要です。既存システムとの連携が不十分な場合、データの手動入力や二重管理が発生し、業務負荷が増えてしまう可能性があります。

特にECサイトでは、購入データや顧客情報が日々更新されるため、データ連携の自動化は欠かせません。システム同士が連携していれば、最新の情報をもとに分析や施策を行えるため、判断の精度も高まります。また、データの反映遅れや入力ミスといったリスクを抑えられる点もメリットです。

CRM導入後の運用を円滑に進めるためには、「連携できるかどうか」だけでなく、「どこまで自動化できるか」も含めて確認しておく必要があります。既存環境との相性を事前に見極めることで、無理のない運用体制を構築しやすくなります。

操作や確認がしやすいか

CRMは、日常的に利用するツールであるため、操作性や画面の分かりやすさも重要なチェックポイントです。どれほど高機能であっても、操作が複雑で分かりにくいと、現場で使われなくなってしまう可能性があります。結果として、データが十分に活用されず、導入効果を実感できないケースも少なくありません。

特にECサイト運営では、複数の担当者がCRMを利用する場面が想定されます。そのため、専門的な知識がなくても直感的に操作できるか、必要な情報にすぐアクセスできるかといった点が重要になります。管理画面で顧客情報や施策結果を簡単に確認できることは、日々の業務効率にも直結します。

CRMを検討する際には、デモ画面やトライアルを活用し、実際の操作感を確認することをおすすめします。現場で無理なく使い続けられるかどうかを見極めることで、導入後の定着と成果につなげやすくなります。

サポート体制は充実しているか

CRMは導入後の運用によって成果が大きく左右されるため、サポート体制の充実度も重要な選定ポイントとなります。初期設定やデータ移行、運用開始時につまずいてしまうと、十分に活用できないまま形骸化してしまう可能性があります。

特に、CRMの運用に慣れていない場合や、社内に専任の担当者がいない場合には、ベンダーからのサポートが欠かせません。操作方法に関する問い合わせ対応だけでなく、活用方法や改善提案など、運用面までフォローしてもらえるかを確認しておくことが重要です。

サポートの提供方法についても、メールやチャット、電話など、自社の体制に合っているかを事前に把握しておくと安心です。導入後も継続的に相談できる環境が整っているCRMを選ぶことで、安定した運用と成果につなげやすくなります。

ECサイトにCRMを導入する際の注意点

ECサイトにCRMを導入することで、多くのメリットが期待できますが、事前に押さえておくべき注意点も存在します。これらを十分に理解しないまま導入を進めてしまうと、コストや運用負荷が想定以上に大きくなり、期待していた効果を得られない可能性があります。

CRMはあくまで「成果を生み出すための手段」であり、導入そのものがゴールではありません。自社の体制やリソースを踏まえ、無理のない運用ができるかどうかを見極めることが重要です。

ここでは、ECサイトにCRMを導入する際に注意しておきたいポイントについて整理していきます。

導入にコストがかかる

CRMの導入には、初期費用や月額利用料など、一定のコストが発生します。ツールによっては、利用する機能や登録顧客数に応じて費用が変動する場合もあり、想定以上の負担になるケースも少なくありません。そのため、導入前に費用体系を正しく把握しておくことが重要です。

また、金銭的なコストだけでなく、運用にかかる工数や人的リソースも考慮する必要があります。データの整理や施策の設計、効果検証など、CRMを活用するためには一定の作業が発生します。これらを見込まずに導入してしまうと、運用が負担となり、十分に活用できなくなるおそれがあります。

CRMの導入を検討する際には、費用対効果を意識しながら、自社の体制やリソースに見合ったサービスを選ぶことが大切です。無理のない範囲で運用できるかどうかを事前に検討することが、長期的な活用につながります。

「導入」ではなく「運用」をゴールとする

CRMは、導入すること自体が目的ではなく、日々の運用を通じて成果につなげていくことが重要です。ツールを導入しただけで満足してしまい、十分に活用されないまま終わってしまうケースも少なくありません。

ECサイトでは、顧客データをもとに施策を検討し、実行し、結果を振り返るというサイクルを継続することで、CRMの価値が発揮されます。最初から完璧な運用を目指す必要はなく、試行錯誤を重ねながら、自社に合った使い方を見つけていく姿勢が大切です。

CRMは、使い続けることで少しずつ効果が蓄積されていく仕組みです。「導入したかどうか」ではなく、「どのように活用しているか」を重視し、運用を前提とした取り組みを行うことが、ECサイトの成果につながります。

CVRを高める施策も並行で実施する

CRMを活用した施策を進める一方で、ECサイト全体の成果を高めるためには、コンバージョン率(CVR)の向上にも同時に取り組む必要があります。いくらCRMを導入しても、購入や会員登録といったコンバージョンに至る前の段階に課題が残っていると、思うような成果につながりにくくなります。

ECサイトでは、アクセスがあっても購入まで進まなければ売上は生まれません。特に、サイトの使いにくさや情報不足が原因で離脱が起きている場合、CRM以前に改善すべきポイントが存在している可能性があります。そのため、CRMによる既存顧客へのアプローチと並行して、購入までの導線や表示内容を見直すなど、CVRを高める施策が重要となります。

CRMによる顧客活用と、CVR向上施策は対立するものではなく、相互に補完し合う関係にあります。両者を同時に進めることで、ECサイト全体のパフォーマンスを底上げしやすくなります。

ECサイトのコンバージョン率を向上させる施策例

ECサイトの成果を高めるうえで、コンバージョン率(CVR)の改善は欠かせない取り組みです。CVRは、アクセス数や客単価と並んで売上を左右する重要な指標であり、わずかな改善であっても売上全体に大きな影響を与える可能性があります。そのため、CRMによる顧客データ活用と並行して、サイト自体のCVRを高める視点を持つことが重要です。

CVR改善は、専門的な施策だけでなく、導線の見直しや情報の整理など、比較的取り組みやすい改善から着手できる点も特長です。本章では、ECサイト運営の現場で実践しやすく、効果につながりやすいCVR向上施策を具体例とともに紹介していきます。

ECサイトのCVRについては以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

⇨参考記事:ECサイトのコンバージョン率(CVR)とは?改善施策やおすすめツールをご紹介

サイトUI・UX改善

CVRを高めるためには、ユーザーが迷わず、ストレスなく購入まで進める環境を整えることが重要です。その中心となるのが、サイト全体のUI・UX改善です。デザイン性だけでなく、「分かりやすさ」「使いやすさ」という視点で見直すことで、離脱の防止につながります。

例えば、商品ページでは、価格や送料、返品条件などの情報を分かりやすく整理し、購入ボタンを視認しやすい位置に配置することが基本です。また、入力項目が多すぎるフォームは、途中離脱の原因になりやすいため、不要な項目を削減し、入力フォームを最適化することも有効です。住所の自動入力やエラーメッセージの分かりやすさなど、細かな配慮がCVRに影響します。

さらに、ユーザーの不安や疑問をその場で解消する手段として、チャットボットの設置も有効です。購入前の質問に即時対応できる環境を整えることで、離脱を防ぎ、購入への後押しが期待できます。UI・UX改善は一度きりで終わらせるのではなく、ユーザー行動を確認しながら継続的に見直していくことが、CVR向上につながります。

レビューや事例の拡充

ECサイトでは、実際に購入した人の声が、ユーザーの意思決定に大きな影響を与えます。初めて訪れたユーザーにとっては、商品やサービスの品質を事前に判断する材料が限られているため、レビューや導入事例は重要な判断軸となります。

例えば、商品レビューを掲載することで、使用感や満足度といった具体的な情報を伝えることができます。良い点だけでなく、利用シーンや注意点などが分かるレビューがあると、購入後のイメージがしやすくなり、不安の軽減につながります。また、BtoB向けECや高額商材の場合は、導入事例や活用事例を紹介することで、信頼性を高める効果も期待できます。

レビューや事例は、単に掲載するだけでなく、見やすい位置に配置したり、評価順や用途別に整理したりすることも重要です。第三者の評価をうまく活用することで、ユーザーの納得感を高め、CVR向上につなげることができます。

カゴ落ち対策

ECサイトでは、商品をカートに入れたものの、購入完了まで至らずに離脱してしまう「カゴ落ち」が一定数発生します。カゴ落ちは、購入意欲が高い状態で起きているケースも多いため、適切に対策を行うことでCVR改善につながりやすいポイントです。

カゴ落ちの主な要因としては、送料や手数料が分かりにくい、購入手続きが複雑、会員登録が必須であることへの抵抗感などが挙げられます。これらを踏まえ、購入フローをできるだけ簡潔にし、料金や手順を事前に分かりやすく提示することが重要です。ゲスト購入を可能にするなど、ユーザーの負担を減らす工夫も効果的です。

また、カゴ落ちしたユーザーに対して、リマインドメールを送信したり、再訪時にカート内容を保持したりする施策も有効です。こうした対策を継続的に行うことで、取りこぼしていた購買機会を回収し、CVR向上につなげることができます。

カゴ落ちについては以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

⇨参考記事:カゴ落ちとは?原因・対策例とおすすめツールもご紹介(成功事例つき)

ECサイトの売上を最大化するならReCV(リシーブ)がおすすめ

ReCVは、購入手続きの途中で離脱してしまったユーザーに対し、離脱後のフォローに特化したカゴ落ち対策ツールです。カゴ落ちは、「商品への関心がなくなった」というよりも、「その場では決めきれなかった」「後で続きをしようと思っていた」といった理由で発生するケースも少なくありません。ReCVは、そうしたユーザーに対して購入を思い出してもらうためのきっかけをつくる役割を担います。

ReCVでは、SMSやメール、電話など複数のチャネルを活用し、ユーザーの状況に応じたリマインドが可能です。あらかじめ用意したシナリオに沿ってアプローチできるため、無理に購入を促すのではなく、自然な流れで購入再開を後押ししやすい点が特長です。

また、受注データと連携することで、すでに購入が完了しているユーザーには案内を送らない仕組みを構築できます。これにより、不要な連絡による不信感や二重注文のリスクを抑えながら、安心してカゴ落ち施策を実施できます。CRMによる顧客活用とあわせてReCVを活用することで、CVR改善と売上最大化を効率的に進めることが可能になります。

⇨ReCVについて詳しく知りたい方はこちら

まとめ

ECサイトにおいて安定した売上成長を実現するためには、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係性を継続的に深めていく視点が欠かせません。その中でCRMは、顧客データを一元管理し、分析や施策に活かすための重要な基盤となります。

一方で、CRMは導入すれば成果が出るものではなく、自社の目的に合った機能を選び、運用を前提として活用していくことが重要です。また、CRM施策の効果を高めるためには、CVR向上に向けた取り組みも並行して進め、顧客データを獲得しやすい環境を整える必要があります。

CRMによる顧客活用と、CVR改善によるサイト全体の最適化を両立させることで、ECサイトの売上や利益をより安定的に伸ばしていくことができるでしょう。

株式会社ストークメディエーション

パーソナライズヘアカラーブランド『COLORIS(カラリス)』を展開し、定期通販サービスを提供している。 『COLORIS』では、WEB カウンセリングに基づいて、一万通りの処方から一人ひとりに最適な処方で、ヘアカラー&トリートメントをカスタマイズして販売。購入後もマイページ上で担当スタイリストが継続サポートを行う。 『COLORIS』は、宝島社の美容誌「&ROSY」2020年3月号の「編集部が選ぶベストコスメ」にて、ヘアケア部門で第1位を受賞。

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株式会社エイチームウェルネス

エイジングケア化粧品ブランド『lujo』などの開発・販売を行う。 『lujo』は、さまざまなテクノロジーを用いた成分や処方により、効果を実感できるエイジングケアを目指した、化粧品ブランド。化粧水や美容クリーム、リキッドファンデーションなどの製品を取りそろえる。 同社は、比較サイトや情報サイトなど、さまざまなウェブサービスの企画・開発・運営などを行う「株式会社エイチーム」のグループ会社である。

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株式会社オモヤ

「人×価値あるもの×テクノロジーで世界中を幸せにする」をミッションに掲げ、EC事業・広告制作事業を展開。4つのECブランドを運営し、体にまつわる女性の悩みやコンプレックスを解消するほか、生活習慣の改善やわんちゃんの健康をサポートする商品を提供している。

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